毘沙門天立像

びしゃもんてんりゅうぞう

概要

毘沙門天立像

びしゃもんてんりゅうぞう

彫刻

平安時代・応保2年(1162)

木造、彩色・截金、玉眼

像高102.5

1軀

重要文化財

 片手に宝塔を捧げ持つ毘沙門天の像です。東西南北ににらみをきかせ仏教を守護する四天王のうち、北方を守る多聞天(たもんてん)は、毘沙門天(びしゃもんてん)と呼ばれ単独でも人びとの信仰を集めました。
 この像は、平安時代の終わりに作られたものです。全体に動きが控えめで穏やかな印象は、平安時代の仏像の特徴です。毘沙門天の衣をよく見ると、緑・青・橙(だいだい)・赤などの美しい色が塗られています。さらに、細く切った金箔で繊細な文様を表す截金(きりかね)という技法が全身に使われていることがわかります。優美で華麗な装飾は、平安時代後期の仏像や仏画の特徴です。いっぽう、引き締まった顔の表情や、内側から水晶をはめてきらりと目を光らせる「玉眼」(ぎょくがん)という技法を使っている点は、鎌倉時代に流行する写実的な仏像の先がけということができるでしょう。
 実はこの像の中には、全部で513体もの毘沙門天の姿を表わした110枚の紙が納められていました。これは印仏(いんぶつ)といって、仏像の形を版に彫ってスタンプのように押したものです。ほかに、美しく彩色された仏画もありました。毘沙門天の衣の色が、仏像とほぼ同じであることから、仏像がつくられたのと同じ時期に納められたものと考えられます。たくさんのスタンプをひとつひとつ押した人はこの仏像にどんな思いをこめたのでしょうか。

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