鶏形埴輪

にわとりがたはにわ

概要

鶏形埴輪

にわとりがたはにわ

考古資料 / 古墳 / 栃木県

出土地:栃木県真岡市 鶏塚古墳出土

古墳時代・6世紀

土製

高 53.8cm

1個

 これは、埴輪(はにわ)の鶏です。埴輪とは、有力者や王の墓である古墳(こふん)を飾った素焼きの土製品です。シンプルに表現されているようですが、よく見ると細かいところにこだわりがあります。例えば、とさかと、くちばしの下にたれている肉垂(にくすい)は、赤く塗られています。目は、細い竹のような筒状のものを押し当てて丸くしています。体には細かな筋がはいっています。これは、かまぼこ板のようなもので表面をなめした跡なのですが、羽毛のはえ方に沿って向きを変えているようにみえます。
 どうして、鶏が古墳に飾られたのでしょうか。一説には、鶏が夜の闇から光をもたらす神聖な鳥と考えられていたからです。実は、同じ古墳から4体の鶏の埴輪と、女性の形をした埴輪がいくつか発見されています。中には、裸の女性の埴輪もありました。鶏と裸の女性といえば、8世紀に成立した現存する日本最古の歴史書である古事記の一場面が思い出されます。天岩戸(あまのいわと)神話です。太陽神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸と呼ばれる洞窟に隠れ、世界は闇に包まれます。世界に光を呼び戻すために、まず鳴くのが鶏です。続いて、天鈿女命(あめのうずめのみこと)という女神が胸をはだけて舞を踊ると、天照大御神(翻訳:太陽神)が再び顔を出し、世界に光が戻りました。この神話をイメージさせる鶏と裸の女性をかたどった埴輪が、6世紀にすでに作られていたのですね。
 この鶏は、木にとまっているかのように一段高い台に乗って、尾をぴんと立てて胸をはり、丸い目で何かを見張っているようにも見えます。夜の闇に紛れて訪れる邪悪なものから、墓の主を守る役目をはたしていたのかもしれません。

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