深鉢形土器
ふかばちがたどき
概要
1万年も続く縄文時代のなかで、もっとも土器に華やかな装飾がなされたのが、縄文時代中期です。この時期は東日本を中心に各地に大きな村々が作られたため、縄文時代の成熟期とも言われています。
この深鉢形土器は長野県南部を中心に分布する地域色豊かなものです。膨らむ口には二個一対の突起、長い胴には編んだ紐のような把手が大胆に貼り付けられています。表面は太い粘土紐により縦横に区画され、その内側は植物や動物を表わしたかのような抽象的な文様で飾り立てられています。その大きさも相まって迫力溢れる見事な造形です。
深鉢形土器は煮炊きに使われるのが基本です。大きなものは貯蔵用と考えられていますが、時に本作のように底を打ち欠いて埋甕に用いられたものもあります。埋甕とは乳幼児の埋葬に用いられた棺のこと。縄文時代の人びとにとって、土器は煮炊きや貯蔵のためだけではなく、祈りや死者を葬る際にも用いられました。
日本美術のあけぼのともいえる縄文時代。世界の土器文化においても稀有な造形力を誇る縄文土器が生まれた背景に思いをはせつつ、展示をご覧下さい。
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