竹虫図軸
ちくちゅうずじく
概要
大きく回転しながら伸びる竹が印象的な作品です。強い生命力を持つ竹、子宝(こだから)を象徴する瓜(うり)、立身出世(りっしんしゅっせ)を意味する鶏頭(けいとう)は、いずれもめでたい植物と考えられてきました。また草花の間には、蝶やトンボ、イナゴ、鈴虫、クツワムシなどが生き生きと描かれ、自然の活力を伝えています。北宋時代11世紀ころ、花鳥画を得意とした宮廷画家、趙昌(ちょうしょう)が描いたと伝えられてきました。
中国絵画では、こうした草花と虫の組み合わせは人気の画題でした。この図には、瓜の葉の色のグラデーション、鶏頭(けいとう)の花びらの細かな点、虫の触覚や脚の線など、非常に写実的で繊細な描写が見られます。草虫図(そうちゅうず)としては現存する中で最も古く、南宋時代13世紀に描かれた名品と評価されています。画面の左上に押された朱印は、室町幕府第6代将軍、足利義教(あしかがよしのり)のものです。足利将軍家に伝わった由緒ある作品であり、「趙昌の曲がり竹」と呼ばれて大事に伝えられてきました。
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