龍笛「寛治丸」
りゅうてき かんじまる
概要
龍笛「寛治丸」
りゅうてき かんじまる
全長39.8cm
千代田区隼町4-1 国立劇場
登録番号884
紀州徳川家伝来雅楽器
解説:日高薫(国立歴史民俗博物館教授)
独立行政法人日本芸術文化振興会
龍笛は、大陸伝来の横笛で、横笛(おうてき)とも呼ばれる。雅楽の管絃では篳篥の主旋律を装飾的に彩る副旋律を奏で、その音色は、天と地を行き交う龍の声に喩えられる。
本管は、堀川天皇治世の寛治4年(1090)、白河上皇が熊野行幸の折に本宮において催された管絃に用いられたと伝えられる。その後熊野本宮社人尾崎家に代々伝来したものが寛政12年(1800)11月に献上された。徳川治宝(とくがわはるとみ・1771-1853)は翌12月、琵琶「白鳳」(国立歴史民俗博物館蔵)、笙「小男鹿丸」(サントリー美術館蔵)とともに、京都の楽器師神田大和掾定祥にこの笛の修理を命じている。3点の楽器は、いずれも松平定信編纂『集古十種』「楽器部」に紀伊家所蔵として所載されており、治宝の楽器コレクションの比較的早い時期の収集例に相当する。
伝承が示すとおりかなりの古管とみられるが、目を引くのはその特異な樺巻(補強・装飾のため樺桜の皮を巻く技法)である。通常より太く平らな樺を巻く例は極めて珍しく、紀州徳川家伝来品の龍笛「青柳」(国立歴史民俗博物館蔵)と共通する。
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