刺繡聖母子像花鳥文様壁掛

ししゅうせいぼしぞうかちょうもんようかべかけ

概要

刺繡聖母子像花鳥文様壁掛

ししゅうせいぼしぞうかちょうもんようかべかけ

染織 / / 近畿

京都府

白茶平絹地に刺繡で聖母子像と花鳥文様を表した一〇枚の裂を、二段五列に接ぎ合わせた長方形の壁掛。聖母子像を中心に、左右に花鳥文を配し、左縁に花葉文と花丸文を立涌状の縁取りでつなぐ太幅のボーダー、下縁に花や実をつけたS字唐草を花十字で連結する細幅のボーダーを配す。左右辺の際にはモール風の縁飾りを縫い付け、上下辺にも少し回し込む。白茶平絹地に刺繡を施した裂は縦約七〇センチメートルで、横約五〇センチメートルのものが八枚、約二五センチメートルのものが二枚ある。幅の狭い裂二枚は壁掛の右端上下段に配置される。

縦144.0 横231.0㎝

1枚

京都市東山区茶屋町527

重文指定年月日:20250926
国宝指定年月日:
登録年月日:

宗教法人高台寺

国宝・重要文化財(美術品)

図様、技法、材質から、中国の広州で作られた輸出用の染織品と考えられる。聖母子の周囲には如意雲のような中国風の雲が配され、その両脇に中国の吉祥的な動植物が表される。富貴を意味する牡丹と孔雀の組合せ、春水秋山を想起させる猛禽類が水鳥を捕らえる図や鹿の図は、伝統的な中国の文様といえる。
本作のような中国広州製の輸出用染織品は、十六~十七世紀にかけてもてはやされ、あるものは仕立て替えをし、あるものは姿をそのままに用途を変えて我が国の染織文化に影響を与えた。本作はそのなかで、欧州と中国両方の影響を読み取ることのできる好例であり、聖母子と天使の図像を伴う唯一の例である。日本に舶載された時期は、十六世紀後半から慶長十八年頃までの限られた時期と考えられ、禁教前にもたらされた早期のキリスト教美術の染織としても他に例がなく貴重である。

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