高岡市鳥瞰図
たかおかしちょうかんず
概要
「大正の広重」こと、鳥瞰図作家の吉田初三郎による富山県高岡市街を中心にした鳥瞰図の肉筆原画である。
市街の4分の1を占めるかというほど大きくデフォルメされた桜咲く高岡古城公園、及びそこから高岡駅方向へ延びる桜馬場公園が描かれる。その左下(南)には高岡の開祖・前田利長の菩提寺・瑞龍寺(国宝)とその向かいに利長墓所があり、それを結ぶ参道・八丁道の桜も鮮やかである。
市街の右上(北)には濃紺が鮮やかな二上山がそびえ、その右下は勝興寺(国宝)や臨港工業地帯など伏木の町が描かれる。小矢部川河口左岸の伏木港からは各地への航路が破線で記される。画面右から新潟、北海道をはじめ樺太、浦塩、元山、釜山などの朝鮮主要港も記され、満州事変翌年というこの時期の大陸への関心の高さがうかがえる。
画面右奥には立山、中央には白山、左上には小牧ダムという決して同一視点からは捉えられないものを魚眼レンズのように屈折させて描き込むという「初三郎式鳥瞰図」の特徴を遺憾なく発揮している。
また本図の特徴として、海や川などが地面や空と同系色で描かれていることが珍しいといえよう。
画面右下には落款「昭和七年/初三郎作」と朱文円印「よしだ」の描き印がみられる。本図は同年金沢で開催された「産業と観光の大博覧会」に際して高岡市が発注したと伝わる。しかし、近年の研究により昭和11年の鳥瞰図に追記された情報が描き加えられたことが指摘された(滑川市立博物館『旅行時代の到来』平成24年)。
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