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長崎県・対馬市
国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))元版大般若経長崎県対馬市厳原町今屋敷668-2
本経巻は、元代はじめに刊行された普寧寺版大般若経である。対馬西福寺に伝来し、全600帖中、429帖が現存する。
もとは高麗で勧進僧の行淳らが浄財を募り、泰定3年(1326)に元の普寧寺に注文し、印刷されたものである。対馬島主であった宗貞茂(?~1418)が朝鮮から輸入して西福寺に安置し、貞茂の子・貞盛(?~1452)によって、同版の普寧寺版で欠巻が補われたと考えられている。附の経箱は、元禄13年(1700)に地元の篤信者から寄進されたもので、墨書からは江戸時代の上対馬地域において本経巻が篤く信仰され、大切に管理されてきたことがわかる。
元版大般若経の大部がまとまって伝存し、中国から朝鮮、日本(対馬)への将来と対馬宗氏による島内寺院への施入までの伝来過程や、その後の地域社会における本経巻への信仰について知られることは重要である。東アジアの印刷史や文化交流史上に学術的価値が高く、我が国の仏教史においても高い価値を有する。
国指定文化財(史跡名勝天然記念物)越高遺跡長崎県対馬市
縄文時代早期から前期における九州と半島との交流を示す遺跡として重要。
国指定文化財(重要無形民俗文化財)対馬の盆踊長崎県対馬市
対馬の盆踊は,近世前期から伝わると考えられる演目とともに,後期から加わったと思われる演目もあるなど,成立背景も重層的で,複合的な内容を含んだ盆踊である。また手振りや足使い,扇使いといった所作にも独特のものがあり,本件は九州最北端の離島である対馬における,盆踊の展開や特徴をうかがわせる事例である。
対馬の盆踊は,長崎県対馬市各地の村落において,旧暦7月(現8月)の盆に踊られる。各地区旧家の長男を中心とする男性によって踊られ,また二列縦隊を基本隊形とする盆踊である。伝承曲は地区により異なるが,祝言と呼ばれる演目類を含む点が,特徴の一つである。祝言は扇子踊又は手踊であるが,生み字を長く伸ばした独特の旋律で歌われる歌に乗せ,踊りは腰を低く落とした姿勢を終始保ちつつ,両手を同時に前に出す振り,手首の返し方,親骨をつまむ扇使いなどに独特の所作が見られる。また足使いも前方に足を滑らせるように出すなど,特徴的である。祝言の他,綾竹,長刀,杖などの道具を手にして踊るもの(採り物踊),あるいは役柄の扮装を伴い,物語風の内容を演じるもの(仕組踊)など,成立時期が異なると考えられる多様な踊りを含んでいる。
踊り子は6から12名ほどが二列縦隊を基本として位置を占め,その付近で鋲留太鼓を桴で打つ者や,歌い番(地謡,ジューテーとも)が演奏する。歌い番が複数の地区,太鼓を打ちつつ歌う地区,また踊り子が歌いつつ踊る曲がある地区も見られるが,基本的に踊り子を務め上げた者が演奏に回る慣習になっている。なお盆踊の場には,笹竹に布で作った飾りや色紙などを飾ったエヅリ(エツル,エンヅリ等とも)が掲げられる。エヅリは祖霊の依代と考えられ,踊り子たちは踊りの場への行列に際し,先頭に掲げるほか,盆踊の終了後には,所定の地に納めたり,川へ流したりする。
国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))長崎県佐賀貝塚出土品対馬市厳原町今屋敷668-2
対馬の東海岸に所在する貝塚からの出土品。多数の骨角牙貝製品を中心とし、貝輪や釣針には未製品も見られる。また、豊富な頁岩を利用した磨製石斧の製作工程資料も充実しており、島しょ地域における縄文時代の生業活動の実態を良く示す。