MANDARA
概要
「95年には福岡ユニバシアードに協賛して博多湾に面したももち海浜公園の波打際に赤をはじめ多彩な三角錐状のクレイワークを百余点並べた初の屋外インスタレーション『パイオニア・スピリット』を試みました。[中略]
もともと、私は福岡県田川郡赤池町の上野焼の窯元に生れ、40歳すぎまでは主としてロクロ成形と自然の灰釉による伝統的な作品を制作していました。30歳すぎで日本伝統工芸展で連続受賞しましたが、驕りやマンネリへの不安に襲われ、何かを求めて世界各地に足を延ばしました。
思えば私達の先輩は、かつて朝鮮半島から海を渡って連れてこられ、北九州で焼きものを作らされた陶工たちでした。故郷とは異なる環境の中で苦労を重ね、私達に古上野焼の名品を残してくれました。私も先輩達のように太平洋を越えてアメリカ大陸の向う側に渡り、異文化の中で今までとは異った作品を生み出すことができたらと考えました。折よく、ハーバード大学から招待され、80年に渡米しました。ところが居を構えたマサチューセッツ州では、焼きものの窯の煙は禁止されているため、ガスと電気窯での焼成に転換しなければならなくなりました。初めて触れる陶土、電気やガスでの焼成、未知づくめの中で制作方法も釉薬も根本的に再出発を強いられました。しかし、試行錯誤を繰り返すうちに、自分の進む道は、表現方法を変え周辺の風土を作品に生かすことだということがだんだん見えてきました。必然的に釉薬も赤、青、黄など原色を多用するようになり、型もロクロ成形をいっさい止めて、手びねりや型取りとなり、変形の作品が自由に生まれました。サイズも手の平大から樹木や石や山を思わせる2メートル近い大形まで拡大し、今では屋外での設置を考えて仕事をしています。人は制約の中で又、別の自分を発見するものです。」
(高鶴元「インスタレーション……「ニューイングランドの自然」に寄せて」公正取引協会編『公正取引』(3)(593)、公正取引協会、2000年、2頁)
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