風呂敷 熨斗に宝尽し文

ふろしき のしにたからづくしもん

概要

風呂敷 熨斗に宝尽し文

ふろしき のしにたからづくしもん

染織 / 明治 / 大正

明治~大正時代

麻/筒描

L.1400mm, W.1280mm

国際基督教大学博物館 湯浅八郎記念館

物を包むための四角い布のことを今日では「風呂敷」と呼ぶが、古くは「平包み」と呼んだ。江戸時代に入り銭湯での入浴が盛んになると、風呂場で浴衣を包んだり、足を拭うために「風呂敷」と呼ばれる布が使われるようになリ、物を包むための布も次第にこの名で呼ばれるようになった。多くは縞や無地の木綿地だが、茶道具を包んだ風呂敷には鬱金(うこん)染めや更紗のものもある。また、布地の伸びを防ぐためには、四隅に刺子を施して補強した。四幅や五幅の大風呂敷は、嫁入りの際に、夜具や道具類を運ぶために誂えられたものである。喫斗(のし)文や宝尽し文などの吉祥文様を筒描で染めたものが多い。明治維新後は庶民も苗字を持つことが許されたため、風呂敷にも家紋や苗字を入れることが流行した。華やかな婚礼風呂敷は主に九州や山陰地方で作られた。元来、熨斗は鮑の肉をそいで薄くのして乾燥させ、祝事の肴にしたと云われる。鮑は打てばいくらでも「延びる」ため、延寿を意味する。後に贈答品に添えるようになり、また様々な形で表されるようになる吉祥文のひとつである。略した形が熨斗袋や熨斗紙に見られる。宝尽し文は中国で始まり、日本に伝わった吉祥文のひとつである。縁起がよく福を招くものとして多くのものに施された。「宝」とされる宝珠、宝巻、宝鑰(鍵)、打出の小槌、宝袋、隠蓑や隠笠、丁字、熨斗、分銅などが取り混ぜて描かれる。仏教の諸宝を集めた七宝文や道教の八仙人の持ち物を文様化したものが起源になっていると云われるが、日本に伝来してからは日本的な変化をとげた。一定した文様としての図式があるわけではなく、組合わせなどは地方や時代によって違いをみせる。

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