火消頭巾(兜頭巾)
ひけしずきん(かぶとずきん)
概要
江戸時代の火事装束で、兜の形をした被り物。武家が警備用に着用した頭巾は、火事羽織と同じ毛織物の羅紗を用い、金糸で縫い取りを施した豪華なものが多い。町火消が使用した実用的なものは、火消半纏と同様、木綿の布を重ねて刺子を施し厚く丈夫に仕立ててある。頬や首を防護するため兜の左右や後方に垂らす布は錏(しころ)と呼ばれ、別に付けることもあった。一枚では薄い木綿の布を重ね合わせ、保温や補強のために糸で縫[ぬ]い合わせる技法は、各地で見られる。当初は繕[つくろ]いのために部分的に用いていたが、次第に装飾の要素を兼ね備えるようになった。特に山形県庄内地方の仕事着に施された刺子は、その美しさで知られている。刺子のステッチには、縦横、斜めの直線縫いによる基本的な刺し方から、曲線縫いを加えたものまで種類も多い。代表的な文様としては、麻の葉文、菱万字文[ひしまんじもん]、亀甲文[きっこうもん]、七宝文[しっぽうもん]などが挙げられる。
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