巻物 初代鶴澤友次郎画像、初代鶴澤文蔵事二代目友次郎自筆

まきもの しょだいつるざわともじろうがぞう しょだいつるざわふみぞうことにだいめともじろうじひつ

概要

巻物 初代鶴澤友次郎画像、初代鶴澤文蔵事二代目友次郎自筆

まきもの しょだいつるざわともじろうがぞう しょだいつるざわふみぞうことにだいめともじろうじひつ

①全長183cm 軸50cm(本紙:縦95×横37cm)
②全長113.4cm 軸49cm(本紙:縦24.2×横32cm)
③全長70cm 軸32.2cm(本紙:縦27.2×横40cm)

千代田区隼町4-1 国立劇場

登録番号:793
六代目鶴澤友次郎旧蔵資料
解説:田草川みずき(千葉大学准教授)

独立行政法人日本芸術文化振興会

明治45年(1912)、六代目鶴澤友次郎の箱書(蓋裏)あり。蓋甲には「初代鶴澤友次郎画像/初代文蔵事二代友次郎自筆 二幅」と記されている。
「初代鶴澤友次郎画像」は、盲目だった初代鶴澤友次郎が、目を閉じ、巻物を携えた姿で描かれたもの。山本竹雲による明治13年(1880)の讃がある。ただし、軸裏に六代目友次郎が「画工詳ならず」と注記する通り、絵師については未詳。
「初代鶴澤文蔵事二代目友次郎自筆の軸」には、寛政11年(1799)9月の年記あり。「智仁勇をみすしによせて」との題で、「三味線をむねにはひきて手にひくな ひけよひくなよこゝろすなほに」との音曲道歌を記す。「みすし」とは三筋、すなわち一・二・三の糸をかけた三味線を指す。音曲の心得を和歌に綴った音曲道歌は、能の謡伝書に多くみられ、竹本義太夫などの浄瑠璃芸論にも好んで用いられた。

四代目竹本長門太夫著『増補浄瑠璃大系図』は、この軸の内容を紹介した上で、「表具をして門弟清七事後友治郎へ遺す。夫より友次郎代々に伝はる。今、西京建仁寺町鶴沢友治郎方に蔵る也。文蔵事は実に大人にて、『を』の字書落せしを、又書添しも面白し。」と記している。
なお、上記二軸と同じ箱には、「名義譲渡証書」と題された一軸も収められている。初代友次郎の死後、芸道には携わらなかった子息の利右衛門が、鶴澤文蔵を父の門弟と認め、その名跡を継ぐことを保証した証文である。年記は明和4年(1767)6月7日で、初代が没した寛延2年(1749)から既に18年が経過していた。なお、実際に文蔵が二代目鶴澤友次郎を襲名したのは、さらに33年後の寛政12年(1800)であり、襲名までの紆余曲折が想像される。

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